年中同じスラックスを履いていませんか?季節の変わり目を乗り切るスラックスとは

「自分らしさを磨き、“格”を仕立てるパーソナルスタイリスト」紀村昌彦です。

朝晩に涼しさを感じ、街行く人の服装も少しずつ変わり始める季節になってきましたね。

前回のブログでは、洋服の生地には季節に合わせた「重さ(目付け)」や「織り方」という明確な基準があるというお話をしました。

しかし、この10月から11月にかけての「季節の変わり目」に、毎朝クローゼットの前で考え込んしまうことはありませんか?

一昔前だと、冬物を着る時期ですが、ここ数年は記事を書いている10月末でも、日中は25度を超える日があるため、季節に合わせた服選びが簡単ではなくなってきており、

「夏用の薄手スラックスでは風が通って肌寒いけれど、真冬用の分厚いズボンを穿くにはまだ早いし、電車やオフィスでは汗ばんでしまう……」

という方もいると思います。

今回は、すでにネイビージャケットなどの万能なアイテムを手に入れて秋の装いをアップデートしたい方や、これから本格的な冬が来る前に失敗のない1着を買い足したい方に向けて、今すぐ選ぶべき「秋ボトムスの最適解」を具体的にお話しします。

目次

秋のボトムスは、『サキソニー生地』のミディアムグレーを選ぶこと

季節の変わり目において、寒々しさを防ぎながらスマートな大人の品格を保つための、真冬用の分厚い生地ではなく、ウールの表面をほんの少しだけ起毛させた「サキソニー素材」のミディアムグレーパンツを選んでください。

「サキソニー」という生地の名前を初めて耳にする方も多いかもしれません。

サキソニーとは、梳毛(そもう)糸や紡毛(ぼうもう)糸を丁寧に織り上げたあと、生地の表面を軽く湿らせて縮める加工を施し、ごく短い毛羽を残したウール生地のことです。

真冬の代表格である「フランネル」がふっくらと厚手でしっかりと起毛しているのに対し、サキソニーは起毛の度合いが非常に控えめで、なめらかな手触りの中に優しい温もりを宿しています。

生地の重さで言えば、前回のチャートでもお見せしたように280g〜300g/m前後という、まさに「夏物(220g前後)」と「冬物(350g以上)」のちょうど真ん中に位置する絶妙な作りになっています。

この微起毛があるおかげで、目にする相手には「秋らしい季節感を取り入れている落ち着き」を感じさせながら、穿いている本人は決して暑苦しくなく、秋の変わりやすい気温の中でも一日中快適に過ごせるのです。

季節の気温や湿度の変化に合わせて最適な生地を選ぶことで、全体の見た目と心地よさが得られます。

あなたの今に合わせた「サキソニーパンツ」の選び方

では、実際に店頭やネットで選ぶ際、どのような基準で選べば良いのでしょうか。

ご自身の現在のワードローブの状況や着用シーンに合わせて、3つの選び分けをお伝えします。

まずは手頃に秋の季節感を試してみたい方

これから秋の装いを整え始める方は、まず1万円未満で手に入る手頃なスラックスから試してみるのが安心です。

この価格帯で選ぶときの最大のコツは、タグの素材表記だけでなく

「生地の表面にうっすらとした微起毛が施されているか」

を目で確かめることです。

ポリエステル主体の高機能パンツであっても、表面に微細な起毛加工があるものを選ぶだけで、化学繊維特有の不自然な光沢が抑えられ、秋らしい温かみのある見た目が手に入ります。

色は迷わず「ミディアムグレー」一択です。

黒を選んでしまうと、季節に対する全体の印象が重くなりすぎてしまうため注意してください。

ジャケットとのバランスと、上質な素材感を重視したい方

すでに定番のネイビージャケットや上質な革靴をお持ちで、ワンランク上の着こなしを目指したい方は、スーツ専門店や国内セレクトショップで「ウール100%(またはストレッチ素材が数%入ったもの)」のサキソニーを選んでみてください。

価格帯としては1万5千円〜3万円前後の中間層になりますが、このクラスになると天然ウール本来の上品なツヤと、微起毛による美しい陰影がはっきりと現れます。

座ったり立ったりを繰り返してもシワが自然と戻りやすく、折り目(センタープレス)をきれいに保ちやすい丈夫さも備えているため、毎日のデスクワークや商談でも扱いやすさは抜群です。

全体の完成度を引き上げる、下半身の仕上げ

すでに一通りの基本アイテムが揃っており、装いにこだわりたい方は、イタリアのパンツ専業ブランドやオーダーで、上質なサキソニー生地を仕立ててみてください。

上質なサキソニーの魅力は、歩いた時に生まれる「なめらかな生地の落ち感」にあります。

太ももから裾にかけて足の余計なラインを拾わず、センタープレスの折り目が真っ直ぐに落ちるため、下半身の形がすっきりと美しく見えます。

以前ご紹介したJ.M. WESTONやジョンロブなどの名作ローファーと合わせると、足元から上半身のジャケットまでが洗練され、大人の品格が完成します。

まとめ

秋から冬へ変わるこの季節は、仕事でも年末に向けて慌ただしさが増す時期でもあります。

そんな多忙な時期だからこそ、季節にあったパンツを選び、身だしなみを丁寧に整える。

外に出て冷たい秋風が吹き抜けても、心地よい温もりがあると、気分が上がります。

今日も読んで頂き、ありがとうございました。

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