
「オールシーズン」の服はNG?40代が知るべき季節感の出し方とは?

「自分らしさを磨き、“格”を仕立てるパーソナルスタイリスト」紀村昌彦です。
秋の気配が深まり、そろそろ衣替えを意識する季節になってきましたね。
これまでのブログでも、ネイビージャケットやグレーのパンツ、足元の靴選びといった、大人の基本となる組み合わせをお伝えしてきました。
しかし、色や形を完璧に揃えているはずなのに、ふと鏡を見たときに、
「なんだか周りの季節感から浮いている気がする」
「今の時期にこの服を着ていて、おかしくないだろうか」
と、違和感や不安を抱くことはありませんか?
実は、多くの男性が気づかずに陥っている大きな落とし穴があります。
それは、
「オールシーズン用(年中着られる)」という言葉を信じ込み、同じ生地の服を1年中そのまま着回してしまうこと」
です。
春先なのに真冬のように重苦しい服を着ていたり、肌寒い秋風の中でペラペラの薄い生地を着て震えている方、印象もさることながら、暑かったり、寒かったりと、とても快適とは思えません・・・
今回は、すでに基本の服を揃え終えて次のステップに進みたい方はもちろん、これから失敗しない服選びを始めたい方に向けて、服の印象と快適さを左右する「季節感と生地の仕組み」について具体的にお話しします。

生地の『重さ』と『素材』で季節に合わせること
どれだけ高価なスーツやジャケットであっても、季節外れの生地を選んでしまっては、台無しになってしまいます。
装いにおいて、清潔感のある印象を与える一つの要因として、季節の移り変わりに合わせた装いをすることが大切です。
それには生地の「重さ(目付け)」と「織り方・素材の表情」を正しく選び分けることです。
今回WEB記事で非常にわかりやすい資料を引用しましたので、よろしければそちらも参考にしてください。
なぜ「オールシーズン」を年中着回すと違和感が出るのか
お店に行くと、よく「1年中着られるオールシーズン対応」というスーツやスラックスが並んでいます。
確かに便利そうに見えますし、最初の1着としては心強い味方です。
しかし、四季の寒暖差が大きい日本において、本当の意味で「1年中完璧に快適な生地」は存在しません。
洋服の生地には、1メートルあたりの重さを示す「目付け(g/m)」という明確な基準があります。
下図は各アイテム毎に季節と目付けの関係を示したものです。

引用先:https://www.global-style.jp/enjoy-order/
- 春夏(SS)向け: 200〜240g/m前後の薄くて軽い生地
- 春・秋を中心とした通年(10マンス): 260〜280g/m前後の標準的な生地
- 秋冬(AW)向け: 300〜400g/m以上のしっかりとした厚手・起毛生地
通年用の生地(サージなど)は、いわば「春と秋のちょうどいい気候」に合わせて作られた、真ん中の基準です。
これを気温35度の猛暑日に着れば汗だくになりますし、1月の寒風の中で着れば生地が薄すぎて寒々しく見えてしまいます。
季節を語る「素材と織り」の王道のパターン
生地の重さに加えて、もう一つ大切なのが「素材の風合い」です。
大人の男性が季節感を取り入れる際は、以下の王道のパターンをベースに考えてみてください。
【春から夏にかけての装い】
生地の表面にシャリ感があり、風が抜ける「トロピカルウール」や「モヘア混」、ジャケットならザックリとした「リネン(麻)」や「ホップサック」が活躍します。
見た目にも軽やかで涼しげな印象を与えることができます。
【秋から冬にかけての装い】
少し肌寒くなってきた秋口には、表面がごく軽く毛羽立った「サキソニー」を選びます。
そして本格的な冬を迎えたら、しっかりと起毛させた「フランネル」や、ジャケットなら温かみのある「ツイード」へと移行していきます。
生地にふっくらとした厚みと立体感が出るため、落ち着いた雰囲気が出ます。
習熟度と予算に合わせた賢い選び方
【初心者向け】
これから本格的に服を整え始める方は、まず春・秋・初冬まで広くカバーできる「サージ素材(260g/m前後の標準的なウール)」のネイビージャケットやグレースラックスから手に入れてください。
ユニクロなどの手頃な価格帯でも、ポリエステル単体ではなくウール混のしっかりした質感のものを選べば、失敗することはありません。
【中級者向け】
基本のセットが揃っている方は、季節の変わり目を埋めるアイテムを買い足してみましょう。
春夏なら表面に凹凸のあるホップサックジャケット、秋口ならほんのり起毛したサキソニーのパンツなど、1万〜3万円前後の中間価格帯で素材感のあるアイテムを取り入れると、装いの完成度が一気に高まります。
【上級者向け】
すでに定番アイテムをお持ちの方は、例えばパンツであればインコテックスなどのパンツ専業ブランドやオーダーで、夏専用のトロピカルウールや、冬専用の上質なフランネルを仕立ててみてください。
最後に下半身の素材感を季節に合わせて整えることで、全体の完成度は完璧なものになります。
まとめ

その日の気温と季節の風を感じながら、最適な生地の1着に袖を通す。
季節にあった心地よい装いの力を借りて、充実した一日にしていきましょう。
今日も読んで頂き、ありがとうございました。

