その痛み、厳禁!高級靴の「育てる痛み」と「足を壊す痛み」の見分け方【保存版】

自分らしさを磨き、“格”を仕立てるパーソナルスタイリストの紀村昌彦です。

「一生モノの靴は、痛みに耐えて育てるもの」

そんな言葉を信じて、血を流しながら高級靴を履き続けてはいませんか?

確かに、J.M. WESTON 180の「万力締め」に代表されるように、名作靴には一定の「修行期間」が存在します。

しかし、、「馴染む痛み」と「足を壊す痛み」には明確な境界線があります。

今回は、その境界線を見分けるためのチェックリストをお伝えします。

目次

我慢していい痛み

これらは、靴があなたの足の形にフィットしようとしているプロセスで起こる痛みです。

  • ボールジョイント(足の横幅)のタイトさ:
    横から「ぎゅっ」と締め付けられるような感覚は、我慢していい痛みの代表例です。

  • 甲の圧迫感:
    ローファーなどは、甲で足を固定するための設計ですので、甲全体が締め付けられるような痛みは革が馴染んだり、中底が沈むことでフィットします。

  • 中底の沈み込み待ち:
    高級靴の多くは靴底に厚いコルクが敷き詰められており、履き込むことで自分の足型に沈み込みます。

注意して欲しいのが、締め付けられる痛みが良いと言っても、「痺れるほどの痛み」は神経が圧迫されている可能性がありますので、そこまでのタイトフィッティングは避けた方が良いでしょう。

我慢してはダメな痛み

以下の痛みがある場合、履き込みでは解決しませんので、その靴は選ばない、またはストレッチにかけることが必要です。

  • くるぶしが靴の縁に当たる:
    これは骨と靴の物理的な干渉なので、革が沈んでも骨の位置は変わらないため、解消されにくい痛みです。

  • 足の指が「重なっている」:
    捨て寸(つま先の余裕)が足りない、またはウィズ(足囲)が狭すぎて指が逃げ場を失っている状態。これは健康を損なう恐れがあります。

  • 踵(かかと)の骨が一点で当たる:
    月型芯(ヒールカウンター)という硬いパーツが当たっている場合、馴染むことはほぼありません。

どの痛みも共通しているのが、「点」で当たっていることで、反対に「我慢していい痛み」は「面」で当たっていることです。

試着の際、慎重に歩いてみて、どの痛みかを確かめることが必要です。

ブランド別:痛みの傾向と対策

私のブログで紹介している、特に人気の3ブランドの革靴(ローファー)を痛みの特徴と馴染むまでの時間で、比較してみました。

ブランド痛みの特徴馴染むまでの期間
J.M. WESTON 180ボックスカーフの硬さによる全体的な圧迫感。いわゆる「万力締め」ほどタイトではなく「ややタイト」な圧迫感であれば、20回程度の着用で緩和されます。
Alden (コードバン)履き皺が「面」で当たる痛み。コードバンは伸びにくい性質があるため、慎重に慣らします。
Gucci 1953ソールが薄いための足裏の疲れ。革が非常に柔らかいため、アッパーの痛みはほぼありませんが、長時間の歩行にはクッション対策が必要です。

「慣らし運転」スケジュール

「我慢しても良い痛み」であることを確認できたら、以下の手順で効率的に馴染ませましょう。

1.デリケートクリームによる加脂:
履き下ろす前に、特に屈曲部(指の付け根)にデリケートクリームを塗り、革を柔らかくします。

こちらはプリメンテナンスの記事でやり方を紹介していますので、参考にしてください。

    2.30分サイクルの実施:
    まずは室内で30分、次は近所へ30分。

    最初は少しずつ慣らしていきましょう。

    遠出、しかも歩行距離が長い時に履いて、足が痛くなると、どうしようもありません。(経験あり)



      まとめ:痛みと上手に付き合おう

      「痛すぎる」のは、何かが間違っているというサイン。

      そのサインが「構造」によるものか「素材」によるものかを見極めることが、快適な革靴生活への第一歩です。

      もし、今お持ちの靴で「この痛みはどっち?」と迷われている方がいたら、ぜひご相談ください。

      今日も読んで頂き、ありがとうございました。

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